地域と世界をつなぐ、ゲストハウス「人と人が出会う、響き合う、そこにお酒があるともっと楽しい」

2017年春、浅草橋にゲストハウス”Little Japan”をオープンされた、柚木理雄さん。
世界を飛び回り、ゲストハウスに住み込んで働いた経験から、人と地域が出会い、バックグラウンドの異なる人と人が出会い、共鳴し、そこで起こる化学反応に魅入られたそうです。そんな楽しい場所にはいつもお酒があったのだとか。

人と人とをつなぐお酒のように、地域と世界をつなぐゲストハウスとはどんなものなのでしょう?旅の思い出と共に、LitlleJapanでも発信していきたい「日本」と「お酒」の魅力を聞いてみました。

 

お酒は苦手だったけど

もともとお酒はそんなに好きだったわけではなく、大学のテニスサークルに入ってたくさん飲むようになって……。それで嫌いになって。大学3年生くらいで自分の意志で落ち着いて飲めるようになってきて、それから段々と好きになりました。

 

お酒の幅を広げてくれたきっかけは沖縄の「泡盛」

昔はカルーアミルクとかカシオレみたいな甘いお酒しか美味しいと思えてなくて、でも沖縄旅行に行って泡盛を飲んで「全然いけるじゃん、美味しいじゃん」ということで、泡盛から始まり日本各地の様々な焼酎やビールやワインも飲むようになったんですよね。

学生時代はまとまった休みになると、バックパッカーの旅にでかけてました。40ヵ国以上、南極を除いた大陸は全制覇しました。

思い出に残っているのは、バヌアツの「カバ」という幻覚作用も引き起こす飲み物です。泥水のようなものを一気飲みして、強いのですぐに意識が朦朧として、一晩中ずっと気持ち悪かったなんてこともありました(笑)。

 

行く先々で好きなお酒が増える、お酒の場を通して日本を知る

大学院時代はフランスに留学に行って、環境問題に興味があったので、バイオエタノールなんかが当時話題になっていたと思うのですが、そんな所で勉強をしていました。

研究生活以外では、旅行や、あとはやっぱりお酒もよく飲んでいました。ワインもその時まで好きじゃなかったんですけど、安くておいしいワインがいっぱいあるので、けっこうガブガブ飲んでいました。フランスはヨーロッパの中でも日本が好きな人が多くて、友達から日本の漫画や映画なんかをむしろ僕が教えてもらうみたいなこともありました。

 

好きなお酒が増えれば人の輪も広がる

焼酎、ワイン……と飲めるお酒が増えて、好きなお酒が合ったりすると仲良くなれるじゃないですか。そういった力がお酒にはありますね。

お酒の幅が広がるとご飯もおいしく思えます。悪酔いしないように、お酒を飲む時にはごはんも一緒にきちんと食べるようにしています。

 

京都のゲストハウスで住み込み、お酒を交わす楽しみ

留学からの帰国後、京都・五条のゲストハウスで住み込みのアルバイトをしました。築100年の町家を改装したゲストハウスで、1階がカフェバーで、2階がホステルという素敵なところでした。

お仕事は宿泊対応やカフェバーで軽食を作ったりお酒を出したり……でも仕事のほとんどはお客さんと喋ることです。自分も一緒にお客さんと飲んだりもするし、住み込みの人はお酒とか飲み放題だったので、自分で注いで、いくらでも飲めるところだったんですね。とてもいい環境でした(笑)。

 

ターニングポイントはムハマド・ユヌスさんとの出会い

幼少時代過ごしたブラジルから戻ってきてから、日本の教育にネガティブなイメージをもっていたので元々は日本で働く気はなかったのです。ただ、留学に行って、日本のことを知らないのに自分が日本人だというアイデンティティを否定している自分がすごくかっこ悪いと思うようになりました。そこで何かのために働くのだったら、日本のために働きたいなと思い、自分の知識も活かせる公務員の道を選びました。

勤めてから、バングラディシュにスタディツアーへ行く機会がありました。元々NPOにそんな興味は無かったんですが、グラミン銀行(※農村部の貧困層への融資を行い、持続可能なビジネスを続ける仕組みづくりを行った銀行)を始められて、ノーベル平和賞も受賞されたムハマド・ユヌスさんにも偶然にも出会うことができたのです。そこで聞いたお話にすごく感銘を受けて……!

 

NPO法人芸術家の村始動!

帰国後ソーシャルビジネスを作る人達をサポートする場所としてソーシャルビジネスラボ(レンタルスペース:http://social-business-lab.org/)を作りました。
「芸術家の村」(http://social-artist-village.org/)という法人自体はそれ以前にできていたのですけども、芸術家の村では社会問題を解決していく事業を作ろうというのが、「それが僕らの作るアートなんだ」と言って立ち上げていました。

 

Litlle Japan立ち上げ――人が変わる、街が変わる


今年に立ち上げた株式会社Little Japanとしてやりたいこととしては、地域の資源を活かした、海外の方が必要とする様々なサービスを作っていきたいなと思っています。

まず最初にやる仕事として、「空き家」という地域の資源を活かした、海外の方が必要とする宿泊施設・ゲストハウスをつくろうというのが、”Little Japan”です。

外国の方にとって、観光地に行くだけでなく、ローカルな方と一緒に特別な体験ができるとより特別な時間になると思っているので、そういう場所を作りたいという思いが僕の中にあって、そこにいろんな人が関わってアイディアを出し合って完成しました。内装の壁塗りワークショップなんかもやったりして、本当にたくさんの人が関わっています。

 

目玉は「開放型」のカフェバー

まちにゲストハウスができる、外国の人がたくさん来るとなると、地元の方は治安の問題などネガティブに思うこともあるかもしれません。でも僕は、そこをあえて地域に開くことで、地元の方ともつながりをもたせていきたいです。近隣に住む人たちの「ああしたい」という声や、旅行にきた海外の方の「ここが良かった」というような声を集めていけたらなと思います。

ゲストハウスの特徴としては、1階にカフェバーがあって、デザイン事務所「マチナカ製図室」もあります。宿泊施設だけだと、なかなか周りの方が入って来づらいかなと思うのですけど、地域の方、周辺の方も、宿に入ってきて、旅行者とそこで仲良くなってもらう・友達になってもらうというそういう場所になってほしいです。
そこには「地域と世界をつなぐ」を意識して、マチナカ製図室さんデザインの大きい浅草橋周辺の地図と世界地図を貼りだすつもりです。

 

カフェバーから発信、違いを楽しむ日本の酒文化


また、カフェバーでは、ちょっと変わった親子丼やラオスのフェアトレードのコーヒーをお出しします。
お酒は日本のものをたくさん置きます。焼酎や日本酒の飲み比べなど、そういったことをやりたいなと思っています。

外国の方にとって焼酎と日本酒の区別がついてない、みんな「日本=SAKE」だと一緒くたに思っている節があるようです。安くておいしくない酒を買ってきて「日本の酒がこんなものなのだ」と失望されるのが僕からしたら少し残念ですね。日本には焼酎と日本酒って違う2種類のお酒があるんだということを知ってもらいたいと思います。

 

素材が違うから、利き酒の焼酎版をやりたい


焼酎も5~6種類は置く予定です。焼酎って、麦だけじゃなく芋も米も蕎麦もあるしシソもあったりとか素材の違いが色々あるじゃないですか。なので、味の違いも、日本酒の違い以上にハッキリわかりやすい。中々見かけない、焼酎の飲み比べを取り入れたいと思っています。

飲み方も水割りとかロックだったりとか、色々な飲み方があるので、その違いを楽しんでもらいたいです。季節によってラインナップを入れ替えたりもする予定です。

 

話のきっかけになるお酒でみんなと楽しく


まさに”Little Japan”には田苑さんの焼酎を扱いたいなと思っています。音楽の振動によって味が変わるというのは実際にあると思っていて、昔トマトにモーツァルトを聞かせて栽培なんかもありましたけど、影響はあると思います。そういうのって、たとえ国が違えども話のきっかけになりますよね。

お酒は「高級であれば良い」という意味ではなくて、話のきっかけとなり、思い出のひと時を飾るようなお酒を揃えておもてなしをしていきたいです。

株式会社Little Japan

【住所】〒111-0053 東京都 台東区 浅草橋3-10-8
【電話番号】050-5898-6992
【HP】http://www.littlejapan.jp/