「音楽仕込み」の田苑から『DEN-EN THE MUSIC』誕生!<予告>
2023/03/08
音楽仕込み(1)
工場に足を踏み入れると、クラシック音楽が耳に飛び込んできた。聞き覚えのある曲なのだが、曲名は出てこない。想像していた以上に、音が大きいことに驚いた。コーヒー店で天井から流れてくるBGMとは違って、はっきりと音楽が鑑賞できる音量だった。
鹿児島県・樋脇町の田苑酒造。ここでは『音楽仕込み』による焼酎造りが行われているという。原料を発酵させる時と蒸留した焼酎を貯蔵している時に、クラシック音楽を聴かせて、よその蔵とは違う酒を造っているのである。
『音楽仕込み』の生みの親であり、当時の工場長だった塚田定清さん(82歳)を訪ねた。
音楽仕込みをはじめたキッカケは何だったのですか?
「当時、牛に音楽を聞かせたら乳の出がよくなったとか、パンを作る時に音楽を聞かせたらふっくら仕上がったといった話がマスコミをにぎわしていてね、焼酎も酵母だからいいかもと半ば冗談で思ったのがキッカケでした」
それで、焼酎に音楽を聴かせようと?
「ちょうど工場見学に来るお客様も増えてきた頃だったので、騒音でうるさいより音楽でも流れていた方がいいだろう。そうすれば、自分も好きなクラシックが毎日聴けると。そんな軽い気持ちで、工場にオーディオセットを持ち込みまして…」
もともと音楽にご関心があったのですか?
「私は、中学・高校と音楽部に所属してピアノを担当していました。特にクラシックが好きでね、音楽浸けの日々を送っていたんですよ」
「昼間はお客様もあるしBGM程度にボリュームを絞ってましたが、毎日夕方5時になると工場中にベートーヴェンの田園交響曲を鳴り響かせてね、至福の時でしたよ(笑)」
音楽の効果は、すぐに現れたのですか?
「工場に音楽を流しだしてしばらくした時、スピーカーに近いタンクだけ発酵が早いって言い出したんですよ。一次もろみの仕込みタンクでね、米麴を使った場合、通常は6日目にアルコール度数15度となって発酵を終えるはずなのに、5日目で完了したと言うんですよ」
スピーカーに一番近いのだけ?
「そう。でも信じられなくてね。『そんなバカな話があるか』って、試しにスピーカーの位置を変えてみたんですよ。そしたらまたスピーカーに近いタンクだけ、アルコール発酵が1日早く進んだ」
本当だったんですね!
「これが本当なら、タンクに直接スピーカーを取り付けたら、すべてのタンクの発酵が早まるんじゃないか? さっそくやってみようと。自動車用スピーカーを取り付けたり、有線放送のスピーカーを取り付けたり。試行錯誤がはじまりました」
Kura Master 2021 プラチナ&審査員賞、TWSC 2020最高金賞、LAISC金賞受賞。琥珀色の輝きの中に立ち上がる柑橘系の華やかな香り。全量3年貯蔵酒ならではのまろやかさ。原料の特性とオーク樽に由来する甘さが絶妙にマッチして、フルーティな味わいを醸し出す。そして、じわりと広がって深く余韻を残すのは、他に類をみない、はじめての味。
ENVELHECIDA(エンヴェレシーダ)とはポルトガル語で“貯蔵”を意味します。
【日本百貨店協会会長賞受賞】クラシックの名曲をモチーフに、5つの香りと味、ボトルやパッケージまでトータルにデザインされた、音楽仕込の田苑ならではの全く新しい焼酎セット。りんご、なし、メロン、バナナ、マスカット…フルーティな香りを生みだしたのは、ワイン酵母と清酒酵母。焼酎造りでは考えられない方法を試行錯誤した末に、この、甘く、華やかに香り立つ新しいお酒ができました。音楽好きの方や、女性におすすめの飲み比べセットです。
詳しく見るオーク樽の中でゆっくりと時間をかけて熟成した原酒は、かつてないまろやかさと深い味わいを醸しました。全量3年貯蔵、樽貯蔵、音楽仕込みといった田苑酒造の技と粋を惜しみなく注ぎ込んだのが、この田苑 ゴールド。バニラのような香り、重厚で力強さがありながらも、まろやかさがあり、飲んだ後もしばらく余韻が続く、深い味わい。樽貯蔵ならではの黄金色の輝きも、エイジングスピリッツの頂を目指した証しです。
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