体験で焼酎好きに。300kgのさつま芋作りから、仲間と一緒に焼酎づくり

プロフィール
滝田一馬さん
東京都葛飾区出身。東京にあるIT系企業で2年間勤めた後、千葉県・金谷に移住。

現在はシェアハウス、ベジタブルサークルの運営と並行して移住者支援活動にも取り組んでいる。

 

熱く語ってしまうのは焼酎のせい


強いお酒の部類でいうと、泡盛から飲み始めました。親戚が沖縄出身で、集まりがあるとよく泡盛系の強いお酒を飲んでいました。父は泡盛と一緒に焼酎もよく飲んでいたんです。父と一緒に晩酌をするうちに僕も焼酎を好きになっていきました。

普段はロックで飲みます。焼酎にカボスの果汁を入れて飲むのが特に好きですね。芋など色んな種類の焼酎に合い、カボスの風味が加わることで口当たりがよくなり、食事にも合うようになるんです。焼酎を飲んだ時の、鼻に抜けるアルコールの香りが苦手な人もいますが、その香りも柑橘系になります。普段焼酎を飲まない人にも、この飲み方をオススメします。

水割りは注意です。というのも、ガブガブ飲めてしまうからです。ゆっくり話したい時に焼酎を頼むので、ロックで少し飲みにくい位が丁度よくて。一通り話が盛り上がった後、焼酎を頼んでマジメな話や将来の夢について話すことが多いです。熱く語るのは完全に焼酎のせいです(笑)。

 

さつま芋を植える段階から芋焼酎を作る


1年前から、さつま芋を植えるところから芋焼酎を造るプロジェクトを進めていました。もともと僕自身が、養蜂からハチミツを作ったり、鶏を捌いて食べたりといった、普段買って食べるものを一から作るのが好きでイベント化していたんですね。僕が代表をつとめている農業サークルで、芋をたくさん作ることがありました。せっかくなら芋を加工して面白くしようと、芋焼酎を造りたいという話がでてきたんです。近くの老舗酒蔵さんに相談したところ、芋が300kg分あれば造れるとのことでした。
サークルの仲間に声をかけて、芋焼酎造りがスタートしました。去年の5月にさつま芋を植えて、10月に収穫したあとすぐに焼酎仕込みをし、今年の6月ついに完成しました。協力いただいた酒蔵さんの期間限定ブランド商品として、販売いただきました。

全て一から作業したので、大変でしたが非日常の共同作業は楽しかったですね。ただ、作業中疲れてダラける場面もあり、そんな時は「みんな集中集中!」と声をかけていました。それがみんなの合言葉になり、僕らが造った芋焼酎も「集中」と「焼酎」をかけて、『集酎ノ宵』という名前になりました。この焼酎は、今まで飲んだ焼酎の中でもトップクラスに飲みやすく、甘い味でした。焼酎が苦手な人も美味しいと言ってくれて。シェアハウスの同居人とも一緒に飲んで、僕らが生産したものを僕らで消費するくらいハマっています(笑)。

芋焼酎は全部で二百数十本造ったので、全部売り切れたら一般の人も巻き込んで第二回を開催したいですね。芋焼酎を造る体験自体が楽しいので、それをきっかけに焼酎を好きになってくれたら嬉しいです。

 

父を親として見ていない。ライバルと思っている


造った焼酎はお世話になった人にプレゼントすることが多いです。お金でお礼するのもいいですが、自分たちが造った焼酎を贈った方が、より感謝の気持ちが伝わるかなと。地元の人とBBQした際は、猟師さんが猪を撃ってさばいてくれた猪肉の代わりに焼酎を贈って、一緒に食べて飲みました。田舎の地ならではの話ですよね(笑)。
中でも焼酎を一番あげたかった相手は父です。焼酎を教えてくれたのは父でしたし、いつまでも父が目標になっていて。定年を迎えたので悠々自適に過ごせるのに、整体のお店を開業して第二の人生を楽しんでいるんです。55歳くらいから学校に通い始めて勉強し、定年後に地元でオープンしました。なぜ歳を重ねてもチャレンジを続けるのか、聞いてみたことがありました。すると、嬉しい回答が父から返ってきました。

「一馬は覚えてないかもしれないけど、飲んでいた時に『父さんの将来の夢はなんなの? 会社辞めたら次なにするの?』と、当たり前のように聞かれた時があった。会社辞めた後も挑戦できるんだなと、一馬に言われて思った。定年後も自分のやりたことに挑戦しようと思ったんだ」

常に挑戦し続けている父をすごく尊敬していて、僕も負けていられないという気持ちでいます。父さんの存在が刺激になっているし、父さんにとっても地方で活動している僕が刺激になっているみたいで。父親というよりはライバルだと思っています。

 

相手と同じ体験を共有したい


基本的に飲む焼酎は地元の焼酎で、旅に行けばその土地の地酒を飲むことが多いです。一期一会だと思っているからです。その土地にしかないお酒があるので、ここで美味しいお酒ってなんですかと聞いて、その人が勧めてくれたお酒を飲みます。それで焼酎の好みも広がりました。

僕にとって焼酎やお酒はコミュニケーションツールの意味合いが強いです。相手が飲んでいるものに合わせて、ワインならワイン、焼酎なら焼酎と、一緒のお酒を飲むことも多いです。同じ体験をしたい気持ちが昔からあって、美味しいお酒を一緒に飲みたいし、いい景色を一緒に見たいし、美味しいものがあったら教えて欲しいしすすめるし。

自分が開催しているイベントやそれこそ焼酎を通して、相手と同じ体験や喜びを、今後も共有しつづけていきたいです。