【 連載 】教えて!リカー先生 その② 「麦焼酎とウイスキーの製造方法、どこが違う?」

麦焼酎とウイスキーの原料が同じ二条大麦だということをリカー先生から教わったコウジ君(26)。しかもスーパーのお酒売り場で見つけた金色の焼酎は、ウイスキーと同じ木の樽に入れて貯蔵されたものだと聞いて、がぜん興味がわいてきました。

 

コージ:リカー先生、きょうは麦焼酎とウイスキーの製造方法のことを聞きに来ました。

リカー先生:あらーコウジ君。そうね、原料は同じ大麦でも、製造方法はだいぶ違うわね。

いちばんの違いは、大麦をどうやってアルコールに変えるかという点。お酒にはみんなアルコールが含まれているのはわかるでしょ。ビールでもワインでも日本酒でも。

コージ:はい、わかります。何度とか何%とかいうやつですね。

リカー先生:そう。そしてそのアルコールは、原料に含まれている糖分を「酵母」という微生物がパクパク食べてアルコールに変えることでつくられるの。これが、アルコール発酵。

コージ:えっ、微生物ですか?生きてるんですか?

リカー先生:もちろんよ。納豆だって味噌だってヨーグルトだって、みんなかわいい酵母ちゃんの働きによってつくられてるんだから。で、そのアルコール発酵だけど、たとえばワインの原料であるブドウには糖分がたっぷり含まれているから、酵母を加えるだけで発酵がはじまるの。でも大麦の場合は、いきなり酵母を加えても発酵しないのよ。大麦の主成分であるデンプンを糖分に変えてあげることが必要になるわけ。

コージ:デンプンを糖分に…?

リカー先生:こからが本題よ。大麦に含まれるデンプンを糖分に変える方法、その違いが麦焼酎とウイスキーの大きく異なるところ。麦焼酎は、ここに「麹菌」を使うの!東洋にしか存在しない有用微生物よ。この麹菌が主原料である大麦に含まれるデンプンをブドウ糖に分解してくれるの!

 

コージ:コウジですか!?

リカー先生:そう。

コージ:ボク?

リカー先生:そう、コウジ君!

リカー先生:製造工程としては、まず麹菌を使って「麹」をつくることからはじまるよ。麹の原料には大麦や米が使われることが多く、蒸した大麦や米に麹菌を振りかけると、麹菌は繁殖しながら酵素を出して、この酵素がデンプンをブドウ糖に変えるの。こうして培養した麹に主原料である大麦を加えると、麹菌が大麦のデンプンをどんどんブドウ糖に分解していって、さらには酵母を加えて、ブドウ糖をアルコールにするというわけ。

  

コージ:コウジとコウボの連携プレーだ!

リカー先生:麹菌と酵母が同時に働いているから、並行複発酵と言うわ。

コージ:じゃあウイスキーはどうやってデンプンを糖分に変えるんですか?

リカー先生:酵素の働きなのは同じなんだけど、その酵素を麹菌ではなく「麦芽」でつくるの。発芽した大麦にはデンプンを麦芽糖などの糖分に分解する酵素が含まれているので、この麦芽を使って糖化を行うのよ。

コージ:麹菌か麦芽かの違いですか!

リカー先生:そう、それがいちばんの違いね。こうして分解された糖分を酵母がパクパク食べてアルコール発酵が進むしくみは、麦焼酎もウイスキーも同じだけど、麦焼酎が2週間ほどのアルコール発酵によって約17%のお酒をつくるのに対して、ウイスキーの発酵は2〜3日で、アルコール度数も7〜8%と低いの。

コージ:え?ウイスキーの方がアルコールが高いイメージがありますが?

リカー先生:それは、このあとの蒸留という工程の違いによるのよ。ということで、次回は、麦焼酎とウイスキーの蒸留と貯蔵よ。お楽しみに。

 

 

 

>>>教えて!リカー先生③へ続く

次回は 麦焼酎とウイスキーの製造方法。蒸留と貯蔵