優しいコレッリの音楽から生み出される”振動” コレッリの「クリスマス協奏曲」

田苑酒造では、一次仕込みの段階でクラシック音楽を蔵に流してお酒に聴かせる「音楽仕込み」で、“もろみ”の発酵を促しています。今回は、その田苑酒造の音楽仕込みで使われている楽曲の中で最も古くに作曲された、コレッリの「クリスマス協奏曲」をご紹介します。

コレッリと「クリスマス協奏曲」について


アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)は、バロック時代の中ごろにイタリアで活躍した作曲家・ヴァイオリニストです。ヴィヴァルディより25年、バッハよりも32年先に生まれました。

コレッリの生涯はあまり明らかになっておらず、他の作曲家と比べると現存する作品も多くはありません。しかし、彼の中心的な作品であるトリオソナタ・ヴァイオリンソナタ・合奏協奏曲は、その後のバロック音楽においても重要な位置におかれることになります。

イタリアバロックの器楽作曲家の代表であるコレッリは、「合奏協奏曲」の開拓者とも言え、ヴィヴァルディなどの後世のバロック作曲家が「独奏協奏曲」へと発展させるきっかけを与えました。そして、その流れはやがて「協奏曲」というひとつのジャンルを確立させるのです。

「クリスマス協奏曲」は、彼が作曲した「合奏協奏曲集作品6」の第8番にあたる曲です。
コレッリ自身が、最終楽章の牧歌風の旋律が特徴のパストラールに“キリスト降誕の夜のために”と記しているとおり、クリスマスの夜に行われるミサ用に作曲されたことからこのタイトルが付けられていて、彼の信仰に基づいて書かれた協奏曲であることがうかがえます。
また、コレッリの合奏協奏曲の中でも特に人気のある曲で、映画「マスター・アンド・コマンダー」のサウンドトラックにも使用されています。

この「クリスマス協奏曲」は第1〜6楽章まであり、各楽章で緩急が異なるのも聴きどころの一つです。
厳格で敬虔な空気が立ち込む中から徐々に快活さが顔を出して表情も豊かになっていき、やがて大きな歓喜を迎える。そして、そののちに柔らかく温かな平穏がもたらされる。
そんな曲調が全楽章を通して物語られているので、意識せずともキリストの降誕を思わせられるはずです。

「クリスマスミサ」って?

皆さんは「ミサ」に参加したことはありますか?
「ミサ」というのは、キリスト教の中でもカトリック教会で行われる祭儀を指します。あのダ・ヴィンチの絵画でおなじみの「最後の晩餐」を起源としたもので、キリストの救いに賛美と感謝をささげてパンやぶどう酒で聖体拝領を行う大事な儀式です。
教会が神の恵みを与える取次の場と考えるカトリックとは違い、神や聖書の言葉を重んじるプロテスタントの場合は「ミサ」ではなく「礼拝」として区別されます。

クリスマスミサは、普段のミサと違ってキリストの誕生日をお祝いする生誕祭なので、基本的には12月25日の午前中(普段のミサと同じ)に行われるミサがメインとされていますが、日中に仕事がある人のためにその前日の24日の夜にミサをするようになったのが、クリスマスイブの始まりとされています。

ミサには格式張っていて行きづらいイメージがあるかもしれませんが、クリスマスミサならキャンドルサービスがあったり、クリスマスの飾り付けがされた中でキャロルを歌ったりと楽しめる要素もたくさんあるので、神聖な空気も感じながら心にもなにかを感じてみる良い機会になるかもしれません。

優しいコレッリの音楽から生み出される振動


田苑酒造で行われている「音楽仕込み」では、音楽のエネルギーを振動に変えてタンクに影響を与えることができる、トランスデューサというスピーカーを使って”もろみ”の発酵を促進させる手法をとっています。

旋律や和声の進みが美しいコレッリの音楽は伴奏パートも充実度が高く、丁寧に描かれている作品ばかりです。伴奏を担っている低音楽器が高声部のなめらかなメロディーを安定して支えているので聴き心地も優しく、曲の雰囲気にすんなり入ることができます。

そんなコレッリの代表作である「クリスマス協奏曲」を聴いて造られた田苑酒造の焼酎は、整頓されながらも決して無機質ではないクリーンな振動を受けているでしょうから、口当たりも優しくすっきりしていることが期待できます。そして、そこにクリスマスミサの独特なムードが加わることでさらに魅力が惹き立ち、香りや味に深さの幅も出ているのではないかと思います。

クリスマスの時期はもちろん、普段とはちょっと変わった楽しみ方をしたい時に、コレッリの「クリスマス協奏曲」をバックに田苑焼酎を嗜んでみてはいかがでしょうか。