あなたを見てインスピレーションで言葉を贈ります。<後編>
2017/03/21
発売30周年を迎えた『田苑 ゴールド』が2017年9月「味もラベルもさらなる理想を求めて」リニューアルした。ラベルに迫った前回(その1)に引き続き、今回は、いよいよ、その味。どんな理想を求め、どう変わったのか。みていこう。
リニューアルした『田苑 ゴールド』。すぐにでも飲みたい気持ちを抑えて、まずはその歩みをおさらいしてみよう。
誕生は1987年。そもそもは、日本初の樽貯蔵麦焼酎『田苑 金ラベル』の小サイズ、スペシャルバージョンだった。
次の一歩を記したのは、発売から20年を経た2007年。エイジングスピリッツと呼ぶにふさわしい味わい深さを追求し、原酒のブレンド比率を見直した。同時に、3年以上の歳月をかけてじっくりと熟成させた原酒だけを使用することにした。芳醇な香りと優しい甘さを備えたまろやかな味わいは、こうしてできあがった。
さぁ、いよいよ、リニューアルしたその味。どう変わったのか、期待が高まる。長期貯蔵、樽貯蔵、音楽仕込みなど、田苑酒造ならではのこだわりは、そのままだ。その味わいはすでに完成された感があるだけに、あまり期待してはいけないぞ、と気持ちを抑え込んだ。しかし、それは徒労だと一瞬で気付かされた。
キャップを開け、グラスに注ぐ。黄金色の焼酎が小さく波打ちながらグラスを満たしていく。顔を近づけると、ほんのり甘い香り。バニラ? もともと芳醇だった香りが、バニラのような香りを携えていた。期待はますます高まった。そう、もっと期待していいのだ。
満を持して、口に含む。重厚で力強い味わいだ。それでいて、口の中に広がるのは、まろやかで深みのある味わい。のどに流し込んでも、その余韻が続いた。もうひと口、味わおうか、この余韻をしばし愉しもうか、迷うほどだ。どう変わったのかと聞かれれば、筆者は「いちだんと深みや厚みが増した」と答える。これを旨いと言わずして何を旨いと言うのか、と付け加えて。
どんな飲み方がおすすめか。筆者の答えはひとつ。新しい『田苑 ゴールド』のすべてを愉しむには、オン・ザ・ロックしかないと思う。それも、ひとりで静かに飲みたい。この香りや味わいに身を委ねながら、『田苑 ゴールド』の〝深化〟に自分の人生を重ねたりして。グラスを重ねるごとに感じてきたことがある。これはもしかすると、我が道もまだまだ深められる、というエールかもしれない。
──完。
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Kura Master 2021 プラチナ&審査員賞、TWSC 2020最高金賞、LAISC金賞受賞。琥珀色の輝きの中に立ち上がる柑橘系の華やかな香り。全量3年貯蔵酒ならではのまろやかさ。原料の特性とオーク樽に由来する甘さが絶妙にマッチして、フルーティな味わいを醸し出す。そして、じわりと広がって深く余韻を残すのは、他に類をみない、はじめての味。
ENVELHECIDA(エンヴェレシーダ)とはポルトガル語で“貯蔵”を意味します。
【日本百貨店協会会長賞受賞】クラシックの名曲をモチーフに、5つの香りと味、ボトルやパッケージまでトータルにデザインされた、音楽仕込の田苑ならではの全く新しい焼酎セット。りんご、なし、メロン、バナナ、マスカット…フルーティな香りを生みだしたのは、ワイン酵母と清酒酵母。焼酎造りでは考えられない方法を試行錯誤した末に、この、甘く、華やかに香り立つ新しいお酒ができました。音楽好きの方や、女性におすすめの飲み比べセットです。
詳しく見るオーク樽の中でゆっくりと時間をかけて熟成した原酒は、かつてないまろやかさと深い味わいを醸しました。全量3年貯蔵、樽貯蔵、音楽仕込みといった田苑酒造の技と粋を惜しみなく注ぎ込んだのが、この田苑 ゴールド。バニラのような香り、重厚で力強さがありながらも、まろやかさがあり、飲んだ後もしばらく余韻が続く、深い味わい。樽貯蔵ならではの黄金色の輝きも、エイジングスピリッツの頂を目指した証しです。
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