焼酎が初心者の方にもおすすめ! 焼酎がまろやかになる「前割り」とは?

焼酎の「前割り」という飲み方をご存じでしょうか? それは、あらかじめ水割りにした焼酎を寝かせて飲みやすくする方法のこと。こうすると焼酎の角がとれてまろやかな味わいに変化。特に、普段焼酎を飲みなれていない方や、苦手なイメージがある方には、目からウロコの味わいになるのです。そこで今回は、焼酎中心の立ち呑み屋「四代目鎌倉酒店」の鎌倉良行さんに自宅での前割りの楽しみ方を教えてもらいました。

 

焼酎の前割りとは、どんなもの?

 

焼酎の「前割り」とは、そもそもどんなものなのでしょうか?

 

「焼酎を前もって水割りにして、一晩以上寝かせてから飲む方法を指します。寝かせることで、焼酎と水がうまくなじんで口当たりが良くなるんですね。アルコール度が25度くらいある焼酎は、水割りにするだけでも12〜13度になり、まろやかさもプラスされるので、とても飲みやすくなります」

 

実際に飲ませてもらったところ、確かにスルスルと口の中に入っていく感覚。通常の水割りと比べても、アルコールの味や風味が一気に押し寄せる感覚がなくなります。なのに、通常の水割りよりも香りがグッと引き立っているのが印象的でした。これはなぜ?

 

「当店の場合は、大きな甕(かめ)で寝かせ、中身がなくなったら次の焼酎と水を入れて洗わずに使っています。そのため、甕にも香りが染み付いていて、香りがより高くなるのではないでしょうか。前割りは九州で日常的な飲まれ方として親しまれていますが、特に鹿児島では黒千代香(くろぢょか)という急須を平たくしたような酒器で、前割りをさらに温めて飲みます。このときも酒器は洗わないでおくのが通常。だし汁の染み付いたスッポンの土鍋と同じような効果があるのでしょうね」


▲四代目鎌倉酒店では、蔵元から直接仕入れた焼酎を甕(かめ)で保存し、香り豊かに提供されている

 

 

初心者にはまず麦焼酎を試してみよう!

麦焼酎とは、大麦を原材料として造られた焼酎で、ビールやウイスキーの素材にも使用される麦は、クセが少なくスッキリと飲みやすいと感じられる方が多く、焼酎初心者の方にはまず試してもらいたい種類です。

今回の前割りで、少し風味が落ちてしまうデメリットはありますが、「焼酎は匂いがちょっと・・・」という方には、むしろ少し風味を落としたクセのない麦焼酎や、甕焼酎でお試しください。

 

焼酎の前割りを自宅で仕込む手順とは?

準備するもの
・焼酎(芋、麦など)
・ミネラルウォーター(日本の水など硬すぎないもの)
・計量カップ
・前割りを入れる器(デキャンタなど。ペットボトルでも可)

1:焼酎とミネラルウォーターが1:1になるように測って容器に入れる
2:前割りを入れる器に焼酎と水を入れる

 

3:2で作ったものを冷蔵庫で一晩以上寝かせて飲む

はっきりいって手順はとてもカンタン。同じ分量の焼酎と水を合わせるだけ。次に、いっそうおいしく仕込むポイントを解説します。

 

 

ひと手間かけると味わいアップ! 前割りを仕込むときのポイント

 

前割りにするときにいっそうおいしく仕込むポイントはありますか?

 

「一番のポイントは自分好みの寝かせ時間や焼酎の割合を見極めることですね。私自身は3〜4日経ったくらいが一番なじむんじゃないかと思っています。ただ、水ですので、5日以上寝かせるのは避けたほうがいいですね。焼酎と水の割合も1:1が基本ですが、好みで変えても構いません。当店では、氷を入れて提供するので、焼酎6:水4でちょっと濃いめにしています」

 

また、前割りを仕込む容器にこだわるといっそうおいしくなるのだそう。

 

「やはり香りを閉じ込めながら熟成させるという意味では、甕で寝かせるのが一番です。当店では90リットルの大きな甕で寝かせていますが、最近は一般向けに1.5リットルくらいの甕でできた焼酎サーバーが売られていますので、それを使うのがおすすめですよ。甕だと空気をとおして熟成したり、香りが器の素材のなかにしみ込んでグッとおいしくなりますよ」

 

鎌倉さんおすすめ! 前割りにぴったりの焼酎の選び方と楽しみ方

 

では、前割りにするためにおすすめの焼酎はありますか?

 

「ある程度、香りや味わいに個性があるもののほうがいいですね。そういう意味では、米焼酎よりも麦焼酎や泡盛もおすすめですし、芋焼酎が最も合うと思います。口当たりはまろやかなのに、元々ある味わいの個性香りが引き立つので、いつもよりもコントラストが感じられると思います。麦焼酎でも樽貯蔵の焼酎もいいと思いますよ」

 

ということは、『田苑 ゴールド』や『田苑 金ラベル』でもやってみる価値がありそうですね。最後に、前割りの楽しみ方を教えてもらいました。

 

「前割りはスルスルと入っていくので、最初の一杯から飲んでもいいですね。麦焼酎の前割りは、クセも少ないので食中酒としておすすめ。芋焼酎の前割りはやや濃いめの味付けの料理に合わせたり、お酒だけで楽しむのがいいでしょう。また、氷を入れたり、温めたりしても雰囲気が変わるので、いろいろ試してみてください」

 

昔から九州地方で楽しまれてきた前割りは、焼酎のおいしさを引き立ててくれる飲み方であることがわかりました。寝る前や週末に冷蔵庫で仕込んでおけば、帰ってからの一杯が待ち遠しくなりそうです。

 

<取材協力店舗>

四代目鎌倉酒店
蔵元から買い付けた豊富な焼酎が自慢の立ち呑み店。週替わりで提供される「芋」と「麦」の2種類の前割り焼酎が人気。まろやかな前割り焼酎を肉豆腐や焼鳥で味わえる。

東京都中野区中野2−30−14
03-5342-9054
営業時間:月〜土 16:00〜LO23:00、日15:00〜LO23:00
無休

 
 
 

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