原料は同じ。ウイスキーと麦焼酎

ウイスキーは麦からできている、とは限りません。麦以外の穀類からできているものもあります。大麦だけを原料としたものをモルトウイスキーと言い、代表的なのはスコットランドのシングルモルトウイスキーです。

モルトウイスキーの原料である大麦は二条大麦という品種で、ビールの原料にも、本格麦焼酎の原料にもなります。ちなみに麦茶や麦ごはんになる大麦は六条大麦です。二条大麦からできるお酒のうち、ビールだけが醸造酒。ウイスキーと麦焼酎は蒸留酒です。
*醸造酒と蒸留酒の違いは「3分でわかる!世界の酒のキホン」をごらんください。

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左)二条大麦  右)六条大麦

 

では、同じ二条大麦を原料としたお酒の違いを見ていきましょう。

ひとつめ。原料の糖化の方法が違います。麦はそのままではアルコール発酵しません。アルコール発酵を担う酵母は、麦のデンプン質を直接お酒に変えることはできず、デンプン質をブドウ糖に分解してあげることが必要。これが糖化です。

ビールとウイスキーは、発芽した麦=麦芽を用いて糖化を行います。麦芽には麦のデンプンやタンパク質を分解する酵素がたくさん含まれ、これによって酵母のエサとなる糖分に変えるのです。一方、麦焼酎は糖化に「麹」を用います。蒸した米または麦に麹菌を繁殖させ、この麹菌が生産した酵素の力でデンプンを糖分に分解します。

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ふたつめの違いは、蒸留です。ビールやウイスキーの発酵は3日〜1週間の短い期間で、

できあがったモロミのアルコール成分は5〜8%になります。ビールは蒸留しない醸造酒のため、このアルコール度数がそのまま製品のアルコール度となります。

ウイスキーは蒸留という工程が加わることによってアルコール度数が高まります。ここで使われるのは、ポットスティルと呼ばれる銅製の単式蒸留器。胴体がずんぐりと丸く、そこから長い首が立ち上がっている恐竜のような形です。対するものに連続式蒸留器というものがあるのですが、それに比べ単式蒸留は原料に由来する香味が残るのが特徴です。ウイスキーは通常2回の蒸留を行い、得られるお酒はアルコール度数は約60%にもなります。

麦焼酎の発酵期間は約3週間と長く、できあがったモロミのアルコール成分は14〜20%と高め。ウイスキー同様、単式蒸留器を用いて蒸留を行いますが、1回の蒸留で約40%の焼酎をつくることができます。各社さまざまな工夫が見られ、昔ながらの木桶蒸留を頑に守るところ、ウイスキーさながら銅製のポットスティルにこだわるところもあったりします。

さて、ウイスキーと麦焼酎は糖化方法による発酵の仕方は違っても、どちらも大麦が原料で、単式蒸留して生まれるお酒ということがわかりました。ここから先の違いは貯蔵・熟成の方法です。

ウイスキーも麦焼酎も、蒸留して得られた液体は無色透明です。なのに、ウイスキーが琥珀色しているのは、ホワイトオーク材の樽に詰めて貯蔵され、その間に樽の影響を受けるから。麦焼酎は一般的にステンレスやホーロー製の容器で貯蔵されるため、無色透明のままです。昔ながらに甕壷で貯蔵される麦焼酎もありますが、無色透明なのは変わりません。

Barrel01ここで、『田苑 金ラベル』や『田苑 ゴールド』は麦焼酎なのに無色透明ではない!と気づいた方は、かなりの焼酎通(笑)。そう、ここに例外があるのです。

『田苑 金ラベル』や『田苑 ゴールド』には、淡い金色がついています。これは、ステンレスやホーローや甕壷ではなく、オーク樽に貯蔵された麦焼酎だから。そう、『田苑 金ラベル』や『田苑 ゴールド』はウイスキーと同じオーク樽の中で長い熟成の時を過ごしているのです。
う〜む、『田苑 金ラベル』や『田苑 ゴールド』は、麦に由来するおいしさにオーク樽の影響が加わった、普通の麦焼酎とは一味違う麦焼酎なのですね!

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