リニューアルOPEN! 焼酎資料館が見やすく、おもしろく!

焼酎資料館は、田苑酒造の本社・工場の隣にある。日本初の焼酎に関する資料館として1986年に開館し、昨年30周年を迎えた。館内には、100年以上前の焼酎造りを今に伝える道具や記録書などが歴史的資料として収蔵されている。しかも建屋そのものは、約240年前、江戸時代に建てられたものなのだ!

 

田苑酒造 総合企画室要崎さんにお話をうかがった。

 

「焼酎資料館の建屋は、もと熊本県北部の山鹿市にあった清酒蔵で、約240年前に建てられたものです。取り壊されるということになった際に、いやいやそれはもったいない、昔ながらの酒造りを後世に残したいという思いから、田苑酒造が譲り受けて本社敷地内に移設しました。」

外観は格子模様が美しいなまこ壁。鬼瓦から敷石にいたるまで、解体した資材のすべてを約1カ月かけて運搬したのだそうだ。

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資料館の中へ一歩足を踏み入れると、ひんやりとした静かな空気に包まれた。240年を生きてきた木造建築物が宿す、独特の雰囲気というやつなんだろう。1階の面積は約130坪。人がひと抱えするほど太い柱や梁がむき出しになっていて、在りし日の姿そのままに、高さ約10メートルもの重厚な合掌造りが復元されている。

 

「ここには、田苑酒造の前身である塚田醸造場の創業時(1890年)から使われていた道具や古記録、民具など数百点が収蔵されています。あまりにもたくさんあるため、2階には十分に整理できていない部分がありました。それらを今回お客さまが見やすいように展示し直し、これに伴って1階も変更を加え、順路に沿ってご覧いただけるようにリニューアルしました。」

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明かり取り用の窓しかない酒蔵の造りなので、館内は薄暗い。ほのかなライトに照らされて、1階には主に塚田醸造場の時代に使われた木桶や古式蒸留機(チンタラ)などの道具が展示されている。地中に半分埋め込まれるように並んだ和甕も創業当時からのものだが、なんと今も現役で活躍中とのこと。中では焼酎が長期熟成を遂げているのだ。

 

見上げた屋根裏の梁には、八角形の大きな木の滑車が備え付けられていた。「阿弥陀車」と呼ばれるもので、これで原料の米や重い道具を吊り上げたのだという。順路に沿って2階へ上がると、そこには古い農具や民具などが数多く収蔵展示されており、往時の庶民の暮らしぶりがしのばれる空間となっていた。

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「今回新たに、1階に文庫コーナーを設けました。焼酎博士と呼ばれた「西谷尚道」氏と、田苑酒造の特徴である「音楽仕込み」の開発や樽貯蔵麦焼酎『田苑 金ラベル』の生みの親である「塚田定清」氏の貴重な蔵書を収蔵しています。」

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また、『田苑 金ラベル』や『田苑 ゴールド』の貯蔵に使われているオーク樽も、新たに展示に加わった。目を見張ったのは、横たえたオーク樽をまっぷたつにしてガラスをはめ込んだディスプレイだ。中にはもちろん焼酎が入っていて、焼き焦がされた樽の内側が見え、樽の中で色づきながら熟成を遂げていくのをリアルに感じることができるのだ。焼酎造りの古(いにしえ)を伝える資料館に、焼酎造りの今を伝える展示も加わり、ますますおもしろくなった焼酎資料館。鹿児島へ行く機会がある方は、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

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